ヲタ嫁日記

俳優 山口崇さんを中心とした、時代劇・懐かしドラマ・アニメ・海外ドラマなどの感想ブログ。昭和スメルがお好きな方へ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

影同心(その2)

影同心の、最初の印象は、ちょっと全体的に無理してないか?というものでした。

主役三人も役に慣れてないし、キャラクターがぎすぎすしていて役と演者の不協和音を感じたのです。

当初、山口さん演ずる更科右近は、賄賂は貰う、仕事はしない、口も悪いといった感じで
「嫌味なやつだな」という印象を与えていたように思います。
上司から「狩れ」と言われて殺人を行う影同心としての役割は報酬もなく、
かといって禄高もたいしたことなく、出世も程遠いといった感じで、
何のためにこんな大変なお役目をやっているんだといまいち視聴者にもしっくり来ない。

普段は昼行灯だがそれは仮の姿、実は凄い殺し屋だったのだ、というカタルシスがあまり得られなかったです。
そういう意味では藤田まこと演じる中村主水は、昼行灯だが情があり、
困った人がいたらそれなりに助けてやり、多少に悪事には目こぼししてやり、仲間のために人肌脱いだり
剣の道では右に出るものはいないという非常に魅力的なキャラクターだったと考えられます。

影同心は中村主水のキャラクターを三分割したため、
そういう意味では魅力も三分割されてしまった印象があったのです。

ところが中盤~後半ともなると、すっかりこなれて、キャラクターが生き生きとしはじめました。
彼らが悪人を殺す原動力は、文字通り「正義感」から来るものになったからです。
ひょっとすると必殺のメンバーよりも純粋に説得力があります。
彼らには悪をそのままにしておけない、という純粋なテロリズムの思想が共通しているため
そこで仲間割れを起こすことがありません。
(それぞれがそれぞれの想いから殺しを行うというものもありますが)
ただ、やってることはほぼテロですし、下手すると某宗教団体がやったことと変わらないかもしれないんで
市井の被害者たちがそのテロをも凌駕する勢いで酷い仕打ちに合うのですね。

この部分が話が進むにつれ安定したために、各キャラクターには
「ただの昼行灯ではく、実はとても正義感が強い。宮仕えであるがゆえに事件の真相を知ってしまい、
また宮仕えであるがゆえに動きたくても動けない」というジレンマが与えられます。
それが、各キャラクターの矛盾であるとか、「深み」につながっていきます。
そうなると、演じる側も役作りに厚みを持たせることができる。

当初はなかったその「矛盾」ですが、その矛盾の「しわ寄せ」は更科右近に集まります。
柳田茂佐衛門も、自分の左遷回避と引換えに、被害者をお上に「売る」という行為を犯してしまうなど、
ジレンマを与えられる。
不思議な点がありまして、
渡瀬恒彦の高木勘平は、高積見廻り同心という、薪や荷物の高さが基準値かどうかを計る役職という、
なんとも地味な仕事を仰せつかっている。
測量ポールのような木をいつも持っている(わけでもないけど)ので、ひょっとしたら元々の設定は
これに仕込み刀を入れるって話だったのかしら?(私が見落としているだけかな)

他の2人に比べると、この仕事が一番情けなく感じられるのは私だけだろうか。
宿直も週に何度もやらされるわで、情けないサラリーマンの悲哀っぽさであるとか、
「もーやんなっちゃうよな」という哀愁を最も出せるキャラクターのはずなのです。
なのに、妙にこの勘平は「えらそう」だし、口で言うほど辛そうには見えない。
中村主水に最も近いキャラクターになるべきは、本来は高木勘平なはずなのに、
彼が主水の雰囲気から最も遠い。
これは渡瀬恒彦氏のギラギラした内面が、
そういった悲哀を一切かき消してしまっているのではないだろうか。

そういうわけで、先ほど述べた「しわ寄せ」は、山口崇演ずる更科右近に自動的に集まってくる。
この人、「矛盾」を演じさせたら右に出る人がいないんじゃないかというくらい上手い。
「風と雲と虹と」で加藤剛は小次郎将門を演じる事は出来ても、
恐らく太郎貞盛を演じることは出来なかったろう。
俵藤太の露口茂にしても、山口さんご本人が仰っていたように、
露口さん自身が「渋さ」で内面を頑なに見せないようガードしてしまった点があるため、
(本当はいろいろ出来るのに)万華鏡のように変わる内面を演ずることは出来ないだろう。

更科右近は、カラカラっとしたところがあったり、気に入らなければ暴力を振るう粗暴さもあれば
ちょっとしたことで嫉妬する子供っぽさがあったり賄賂をもらうかと思えば、
好きな女のところに顔を出したいがために反物を買ってしまう可愛らしさもある。
非常に一貫性の無いキャラクターなのですよ。
当初は、嫌味にも思えるようなギスギスした不良だったのが、話が進むにつれて
公でも裏でも大切な女を守ることが出来ない、弱い女を助けてやることすら出来ない弱さを嘆き
それでもその憤りを悪人を仕置きすることでしか解消できないキャラクターへと変化するのです。
どうなんだろう?やっぱり同じ時期に太郎貞盛と更科右近を演じていたから
山口さん自身に変化があったのだろうか????

脚本も後半になるについれて遊び心も出てどんどん面白くなっています。

いろいろ考察できるほど、結局ハマってしまっていますね。
途中で挫折したのをあえて復活して見てみて良かったです。
やっぱりビデオは熟成させてから見るのがいいのかもしれない。

それとやっぱり必殺シリーズ自体、面白いですよ。
初期必殺シリーズの早坂暁作品なんて、珠玉のエピソードたくさんありますし。


スポンサーサイト
  1. 2010/09/11(土) 00:48:55|
  2. 影同心
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<影同心(その3) | ホーム | 山口崇熱>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://ishidarie.blog118.fc2.com/tb.php/352-8886c07d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)